マリベス・ディグル / ソプラノ
江頭摩耶 / ヴァイオリン
畑中明香 / 打楽器・マリンバ
稲田優太 / 映像・オペレーション
マーティン・ボヴァーホフ / 映像
たかはし じゅんいち / 写真
日本の伝統芸能である「能」の上質な美と美意識が生み出す緊張感をヒントに「心と知覚と身体の関係性」に迫った2作目「シネクドキズムⅡ<コンティニュイティ>」のアイデアを発展させて、9体の能面(大天神・老女・増女・泣増・泥眼・小面・黒髭・天神・霊神)を被写体に表情の移り変わりを写真に収め、それを作曲と同時進行で作ったシナリオに沿って繋いだ映像との作品「トランセンダント(神韻縹渺) - うつしだすもの」をはじめとする新作2つを含めた計6作品を上演いたします。それら作品と作品の間には、伊勢物語より、恋に囚われた男の一生を感じさせる句を7つ選んで組曲にした「むかし、をとこありけり〜 」を、その世界観をなぞった映像と共に挟み込み、老いることの美しさを下部構造にした「トランセンダント」と合わせてうつしだす「生命の普遍性」を通して、私なりの<STILL ALIVEJ>を表現しました。また、400年以上前に活躍した大家たちによる作品(能面)自体にどこまで息を吹き込むことができるのかにもチャレンジしています。この作品を通して、日本の伝統芸術における魅力の再発見と同時に豊橋魚町能楽保存会に所蔵する素晴らしい能面の姿を届けることができたら幸いです。
国際芸術祭あいち2022公演プログラムより
Chikage Imai “Synecdochism III”
©Junichi Takahashi / Martin Boverhof (Exhibition reference image for Aichi Triennale 2022)
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